いつだって、夢は夢のまま
ありのままに
世界の果てまで
一緒に、手を取り合って
駆けて行く先には、何が残る?
「一緒に行く?」
そう声をかけられたのは、放課後のこと。
差し出されたチケットは、2枚。
今話題になっている映画のもの。
(たしか、大きな賞を取って、ワイドショーが騒いでた)
ぼんやりとそんなことを考えていると、目の前の瞳が不安で揺らぐのが見えた。
視界に入るその瞳は、思っていた以上に心に響いて。
この人は、どんな人だったか、なんて。
改めて考えさせられた。
(私を、揺れる瞳で見つめる)
その、心の底にあるのは、何か。
「…いーよ、別に」
差し出された2枚のうち、一枚を手にする。
日付、時間指定のその一枚の紙切れが、思っていた以上に重たくて。
(これが、心の重さ)
喜色を隠さない姿を、初めて好ましく思った。
(好きだとか、恋だとか)
そういう不透明な感情は、わからない。
けれど、今わかるのは…。
(私の瞳も、揺れているだろうか)
同じように、相手を好ましく思う感情で。
[Fin.]
久しぶりにオリジナルを書いてみました。
触発されたのは、大好きな方の個展と、それからそこで紹介された一曲。
両方を知っていたら、「なんで?」と思うかもしれませんが。
けれど、それが私の中でのホントウなんですよ(笑)
2009.03.20
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